貨物利用運送事業とは

会社や個人の方からの依頼により、運賃・料金を受け取って、自らが運送責任を負いつつ、他の運送事業者に貨物の運送を委託して運送する事業をいいます。(国土交通省HPより)利用運送は運輸局に登録申請が必要です。申請後、登録されるまで2ヶ月から3ヶ月程度かかります。

利用運送と間違いやすい事業に「運送取次」があります。運送取次は、コンビニなどが荷物を受け取り、運送は運送業者に任せるものを指します。運送区間は運送業者が責任を負うことになっています。それに対し、利用運送は運送を他の事業者に委託しますが、荷物の運送についても責任を負い、依頼者との契約した届け先まで、利用運送事業者が責任を負うことになります。

貨物利用運送事業は今後、拡大していく傾向にあります。それは、トラックにより行われてきた長距離運送が、コストや運転手の不足、勤務時間の問題から、他(鉄道、内航海運等)の運送手段を利用する方向に移行する傾向があるからです。これは、モーダルシフトといい、長距離運送の部分のみをトラック以外の運送手段で行うというもので、国土交通省としても、環境問題(CO2排出抑制)とあわせて、推奨しております。鉄道につきましては、すでに輸送量が限界近くにまで達しており、今後は、内航海運への移行が進んでいくものと思われます。内航海運で使用される船としましては、RORO船(※1)やコンテナ船、フェリーなどが対象となります。第一種利用運送事業者(自動車)が内航運送の第一種利用運送を利用する場合、委託側も内航運送の登録を持っていないと委託することができませんので、ご注意ください。第一種利用運送事業者が第二種利用運送事業者に委託することは可能です。

(※1)RORO船とは

<読み> ローロー船 <英語・別名称>Roll-on Roll-off ship  貨物を積んだトラックやシャーシ(荷台)ごと輸送する船舶のことです。発地(港)ではトレーラが乗船し、貨物を積んだシャーシを切り離して船側に載せ(ロール・オン)、トレーラヘッド(トラクタ)だけが下船します。着地ではトレーラヘッドだけが乗船してシャーシを連結し、そのまま下船(ロール・オフ)、陸送します。フォークリフトなどを使うコンテナ船に比べて早く、簡単、安全に荷役ができますが、シャーシごと船に載せるため、積載効率の点ではコンテナ船に劣ります。小口貨物から大型貨物まで対応でき、コンテナ船やフェリーと同様にモーダルシフト船としての期待が高まっており、最近では時速20ノット(ノット=時速1.852km)を超える高速船も登場しています。なお、フェリーが旅客船であるのに対し、RORO船は貨物船で、基本的に客室はありません。(日本通運株式会社のホームページより)