貨物自動車運送事業を行うには、運輸局の許可を受けなければなりません。許可申請には、「人」、「施設(自動車含む)」、「資金」の要件(公示基準)を満足する必要があります。

法律では貨物自動車運送事業を「他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業」と定義しています。わかりやすい言い方をすると、「貨物(荷物)を送りたいというお客様の依頼に基づいて、お金(運賃・料金)をいただいて、自動車を使って貨物を配達先に届ける仕事(事業)」という感じです。「お客様からの依頼による」ということは、自分の会社の製品を運ぶ、自身の仕入れた商品を配る場合は許可はいりません。「自動車」については、自身(自社所有等)の自動車を使用するときのみが貨物自動車運送となり、他の貨物自動車運送事業者に委託(貨物自動車運送事業者を利用)するときは、貨物利用運送事業となります。貨物自動車運送事業は個人でも、会社でも、事業を行うことができます。(以下の記述については、会社が事業を行う際の内容としております。)

許可申請には「人」、「施設(自動車含む)」、「資金」の要件を満足する必要があると前述しました。これからそれぞれの要件について概要を説明いたします。


1.運行管理者(実務経験or資格取得者) (必要に応じ+運行管理補助者(講習受講者))
2.整備管理者(実務経験or資格取得者) (必要に応じ+整備管理補助者)
3.役員(欠格要件に該当しないこと、役員1名が法令試験に合格すること)
4.運転手(車両台数以上の人数)

施設(自動車を含む)」
1.営業所
2.休憩施設(必要に応じ睡眠施設)
3.車庫
4.自動車(5台以上・軽自動車や乗用車、2輪車は不可)

資金
2ヶ月間の運転資金を満足する金(原則:預貯金)(注意:車両の費用(割賦金・リース料)は6ヶ月、税金は1年分など期間が異なるものもある)

申請要件(公示基準)では、各項目について、さらに詳しく規定されており、都市計画法、建築基準法、農地法、労働者派遣法、駐車場法など関連する多くの法律に違反がないことを求められます。